Wi-Fiのaとgは何が違う？

Wi-Fiの規格にはいくつかの種類がありますが、その中でも代表的なものとして「a」と「g」があります。このページでは、それぞれの規格の特徴とメリット、さらには使用に適したケースを解説します。

Wi-Fi規格「a」とは

Wi-Fi規格「a」はIEEE 802.11aとしても知られ、2001年に導入されました。この規格は5GHzの周波数帯を利用し、2.4GHz帯を使用する他の規格と比べて電波の干渉が少ないのが特徴です。

5GHz帯は、その高周波数がもたらす短波長のため、障害物に弱いという性質があります。その一方でクリアなチャネルを使用できるため、データの送信速度が速くなります。最大で54Mbpsのデータ転送速度を実現し、特に高解像度のビデオストリーミングや大容量のファイル転送に適しています。

さらに、5GHz帯は2.4GHz帯に比べて使用するデバイスが少ないため、より安定した接続が可能です。

使用に向いているケース

Wi-Fi規格「a」の特性を活かせる場面は多岐にわたります。例えば、ビジネス環境では、多数のデバイスがネットワークに接続されているにもかかわらず、高速で安定した接続を維持することが求められます。オフィスビルやカンファレンスセンター、学校などの教育施設では、多くの参加者が同時にオンラインで活動するため、「a」の導入が非常に有効です。

また、家庭内での利用においても、家族が同時にインターネットを利用したり、、高解像度の動画をストリーミングしたりする場合に、スムーズに接続してくれます。特に、大量のデータを扱うアプリケーションや、複数のデバイスを接続するスマートホーム環境において、その高速性と低干渉性が真価を発揮します。

Wi-Fi規格「g」とは

Wi-Fi規格「g」、正式にはIEEE 802.11gとして知られています。2003年に導入され、2.4GHz帯を利用しています。2.4GHz帯はその波長が長いため、壁や障害物を容易に通過し、より広いカバレッジを実現します。Wi-Fi規格「g」は、規格「a」と同等の最大54Mbpsのデータ転送速度を提供しますが、より広範囲をカバーすることができるため、家庭内での使用や小規模なオフィス環境に向いています。

また、規格「b」との後方互換性も備えており、古いデバイスとも容易に接続が可能。この互換性は多様なデバイスが混在する環境での利用に特に有用と言えるでしょう。

使用に向いているケース

Wi-Fi規格「g」はその信号の壁を透過する能力が高いため、複数の部屋がある家庭や複数階にわたる建物での使用に適しています。また、広範囲をカバーする特性から、庭や屋外スペースがある住宅でもインターネット接続を確保しやすいのも特徴。日常的なウェブ閲覧、メールのチェック、ソーシャルメディアの利用といった基本的なインターネット活動には十分な速度と安定性を提供します。

さらに、多数のデバイスが接続される家庭用環境では、規格「g」の提供する広範囲のカバレッジと互換性が、無線接続のトラブルを減少させることにつながります。