インターネット回線の種類

ひとくちに「インターネット回線」と言っても、いくつかの種類があります。インターネット回線の種類について知っておけば、適切な回線を利用できるでしょう。ここでは、インターネット回線の概要および代表的なインターネット回線の種類について見ていきましょう。

そもそもインターネット回線とは

インターネットに接続するための物理的な回線を、まとめて「インターネット回線」と呼びます。インターネット回線は、多くの場合NTT東日本・西日本、NTTドコモ、KDDI、SoftBankなどといったような回線事業者によって一般に提供されています。

しかし、インターネット回線だけではインターネットを利用することはできません。インターネット回線以外にも、その回線をインターネットに繋げるための橋渡し役であるプロバイダも必要になるのです。つまり、インターネットを利用するためにはインターネット回線とプロバイダのふたつが必要です。

ただし、現代では「光コラボレーションモデル」といって、インターネット回線を提供する回線事業者とプロバイダをも兼ねていることも多いので、多くの場合このふたつはセットになっていると考えていいでしょう。

代表的なインターネット回線の種類

光回線

光回線は、光ファイバーを利用したインターネット回線です。光ファイバーはガラス製もしくはプラスチック製のごく細い繊維であり、光を通します。この光ファイバーでできた回線は、従来の電気回線に比べておよそ100倍という大幅に高速な情報通信を実現しているのです。

光ファイバーのメリットは高速通信だけにとどまらず、高い安定性をも誇ります。これは、光ファイバーは電気ケーブルに比べて電磁波の影響を受けにくいからです。したがって、光ファイバーケーブルは高い通信速度と安定性が求められるオンラインゲームやリモートワークでのオンライン会議に適していると言えるでしょう。

ただし、光回線を利用するには有線接続が必須なので、必ず引き込み工事を行わなくてはいけません。

モバイル回線

モバイル回線とは、ケーブルを用いずに無線で各種デバイスとインターネットを接続する方法です。無線電波は携帯電話各局が設置した中継局から発信されています。利用するにはWi-Fiルーターが必須ですが、ケーブルが必要ないので引き込み工事をしなくていいというメリットがあります。また、Wi-Fiルーターからの電波の届く範囲であれば場所を選ばずにインターネットにせず即できるというのが最大のメリットだと言えるでしょう。

現在では、場所を選ばない、回線工事が必要ないというメリットからスマートフォンや携帯ゲーム機をはじめとするさまざまな機器がこのモバイル回線でインターネットに接続できるようになっています。しかし、モバイル回線には通信速度と回線の安定性は光回線に比べると劣るというデメリットもあるので注意しましょう。

ADSL

ADSLは、電話回線を利用してデータの送受信を行う方式です。電話回線を利用しているとは言え、電話での音声通話とは別の周波数帯を利用しているので、通話と干渉せずにインターネットに接続できます。

ADSLは、インターネットが急速に普及してきた2000年代前半に多く用いられていた回線方式でした。光回線に比べると料金が安い、固定電話があればその回線が使えるので簡単に導入できるというメリットがあったからです。

しかし、現在ではADSLはほかの回線方式に比べるとデメリットのほうが勝る状態と言えます。まず、電話回線を用いる関係上、その通信速度は光回線の20分の1と大幅に遅くなります。また、電磁波の影響も受けるので回線の安定性も光回線ほどではありません。さらに、携帯電話が普及している現代では固定電話を設置している家庭も少なくなっているので、「簡単に導入できる」というメリットも機能しないことが多いのです。

CATV（ケーブルテレビ）

テレビ放送で使用する同軸ケーブルを利用することでインターネットに接続するのがCATVです。同軸ケーブルは外部からの電磁波やノイズを防いでくれる構造になっているので、回線の安定性は比較的高く保たれます。また、ケーブルテレビのサービスに合わせて使用されるので、建物の構造や周辺環境の問題で光回線の引込工事が難しい場合でも利用可能というメリットもあります。

ただし、同軸ケーブルには「伝送距離が長くなるにつれ電波の減衰が起こりやすい」という弱点があります。そのため、CATVの通信速度は光回線に比べておよそ6分の1となっているので、できるだけ高い通信速度を確保したいという場合にはCATVは適しません。