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アパートに無料Wi-Fiを導入する方法として、同軸Wi-Fiがあります。ここでは、同軸ケーブルを用いたWi-Fi接続の仕組みや、同軸Wi-Fiのメリット・デメリットについて紹介します。
同軸Wi-Fiとは、「TVケーブル」と呼ばれる同軸ケーブルによってLANのネットワークを構築しWi-Fi化することです。建物の構造上LANケーブルを引くことが困難でも、アパートの各部屋には基本的にTVを接続するための同軸ケーブルは備わっています。
同軸ケーブルを利用してネットワークを構築し、インターネットを使用できる環境を実現します。必要となる機材は同軸モデムです。親機と子機が対となっていますが、親1台に対し、子機は複数設置することができます。
同軸Wi-Fiは、一般的なLANケーブルであるUTPケーブルで入ってきた線を同軸ケーブルに変換することができます。同軸Wi-Fiのメリットは、UTPケーブルを配線できない場所に使用可能であるということ。例えば2階にUTPケーブルが配線されていない場合でも、新規でUTPケーブルを持っていく必要がありません。
1階で、入力した同軸モデムの出力側を壁のテレビコンセントに接続。2階にあるテレビコンセントから出力された同軸ケーブルを、もう一度同軸モデムに入れ込んでUTPケーブルに変換させればインターネットの利用が可能となります。
また、伝送可能な距離が長いこともメリットです。UTPケーブルの伝送可能距離に対し圧倒的に長く、よく使用されている同軸ケーブルの伝送可能距離は最長約2kmと言われています。一般家庭ではあまり関係ない距離かもしれませんが、工場や大型施設で使用する場合使い勝手が良いとされています。
同軸Wi-Fiは、通信で利用可能な周波数帯域に制約があります。そのため高速なデータ通信が難しく、大容量のデータを扱う場合は制約が課されてしまいます。特に複数のデバイスが同時に接続される場合、通信速度に制限が出てしまう可能性が高いです。
同軸ケーブルの通信では「docsis」というプロトコルが使用されていて、あまり速度が早くありません。docsis3.0という規約では最大160Mbpsでますが、1Gbpsが当たり前の現代では遅いと感じるでしょう。docsisはアメリカ発祥のプロトコルであり、残念ながら今後の進展は期待できません。
また、同軸ケーブルを提供する機器は故障しやすいというデメリットがあります。同軸ケーブルは主要な機器室から電線を通って家でサービスを提供するまでの間に、数十個の機器を通過しなくてはいけません。数十個のうち1個でも壊れてしまうとサービスの提供はできなくなる可能性があります。電気系統が必要であることから、落雷や豪雨などにも弱いです。
同軸Wi-Fiの機器構成や設置設定、接続方法はそれほど難しくありませんが、工事を行うためには事前調査をしっかり行いましょう。同軸Wi-Fiは、既存インフラのTV設備を利用するため、TV設備やケーブルの品質の確認は必須です。
TV設備として使用されている出力装置や同軸ケーブルを古くから使用している場合、ケーブルが劣化していたり規格が古かったりするかもしれません。その場合だとネットワークケーブルとして利用できない可能性があります。
アパート・マンションオーナー向け
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