【大家さん向け】マンションのネットが遅いときのクレーム対策

公開日：2024年10月21日｜更新日： 2024年10月21日

テレワーク会議、オンライン授業、WEB面接などの利用が増える中、インターネットの接続問題は賃貸物件における大きなクレームの原因となっています。

特に「マンションのネットが遅い」という問題は、入居者の生活に直接的なストレスを与え、場合によっては近隣トラブルにも発展しかねません。この問題にどのように対処するべきか、具体的なポイントを見ていきましょう。

ネットが遅い理由とそのリスク

「インターネット無料」は賃貸住宅の人気設備として多くの物件で導入されていますが、インターネットが遅くなるケースも少なくありません。多くの場合、その原因は以下の2つに集約されます

多くのマンションで利用されている従来のIPv4方式（PPPoE）は、接続が集中すると遅延が発生しやすくなります。

現在主流のIPv6方式（IPoE）に切り替えると、速度が向上します。もし既存のインフラが対応可能であれば、プロバイダーとの契約を見直し、IPv6に対応するのが有効です。

マンションで一つの光回線を複数の部屋に分配している場合、特に夜間などライフスタイルが重なる時間帯にネット速度が低下することが多いです。

そうなると入居者間でのトラフィック負荷が増加し、全体的に速度が低下する原因になります。

このような状況が長引くと、「ネットが遅いから引っ越しを考えている」や「家賃を下げてほしい」といったクレームが大家さんに直接向けられる可能性もあり、放置してしまうと不動産価値にも悪影響を及ぼします。

賃貸物件に導入するインターネット回線は、単に安さだけで選ぶのではなく、品質を重視するのが重要です。通信速度の速い回線業者を選ぶと、入居者からの不満が減り、満足度が向上します。また、光回線業者の中でも提供速度には差があるため、信頼できるプロバイダーを選ぶようにしましょう。

IPv6は従来のIPv4に比べて通信が安定しており、混雑による遅延が少ないのが特徴です。現在、IPv4方式の回線を使用している場合は、IPv6対応のプロバイダーに切り替えると速度改善が期待できます。特に、インターネット接続が遅くなると不満が集中しやすい時間帯でも、安定した接続を提供できます。

ほとんどの入居者はWi-Fiでインターネットを利用しているため、ルーターの規格も重要なポイントです。Wi-Fi6やWi-Fi6Eに対応したルーターを導入すると、より安定した接続を実現できます。ネットワークの速度が向上し、クレームの原因を減少させられるでしょう。

インターネット接続に関する問題が発生した場合、入居者に対して現状をわかりやすく説明し、対応策を講じていることを伝えるのが重要です。例えば「回線の増強作業を検討している」や「新しいプロバイダーと契約する予定がある」といった具体的な情報を提供すると、入居者の不満を解消しやすくなります。

テレワークやオンライン授業が増加している現代、賃貸物件におけるインターネットの品質は、入居者にとって大きな選定基準となっています。高速で安定したネット環境を提供することは、物件の競争力を高め、長期的に優良な入居者確保につながるでしょう。